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01【第3回補完代替医療学会学術集会に出席して】
平成12年11月5日京王プラザにて第3回補完代替医療学会学術集会が開催。吉利が以前に所属していた東京女子医科大学消化器外科学教室の高崎 健 主任教授が会長にて、ご挨拶参加のつもりで行く。
旧友、諸先輩との久々の顔合わせ。なんか照れくさかった。もう7〜8年は逢っていない懐かしい顔・・
数ある発表のうちひとつだけ挙げよ。と言われたら、なににしようか迷う。
実証の積み重ねによる地道な研究成果の発表の数々。仮定(仮説)を立てて、それを5年10年と研究している発表!!これを聞くと、雑誌広告や他の、心証に訴える(私はこれで良くなりました報告)と同一の物質を扱っているのか?と不思議に思ってしまった。
光っている発表を1つレポートしよう。
東北大学農学研究科の「活性酸素消去発光による、食と健康の評価」が(個人的には)抜群であった。
温泉は登別、ビールはアサヒ黒生?が活性酸素除去作用が強い。登別温泉につかってアサヒ黒生や赤ワインを飲めば細胞老化防止になる訳だ。(吉利の勝手な解釈で、医学会発表ではこのような冗談は言わない)
他いろいろ例示があり、面白い発表であった。
雑誌に15回シリーズで連載中との事、【月刊ジャパンフードサイエンス:日本食品出版】
この連載 いずれ単行本になるかもしれない。興味ある報告であった。
正常細胞がくたびれない、正常細胞を若く保つという点で医食同源のかなりの実証されたデーターである。
実証された補完(食物や環境)のデータである。 参考になるお話であった。
自分の細胞の代わりに酸化してくれる物質の酸化反応の度合いを
X:活性酸素種
Y:ハイドロジェンドナー
Z:メディエーター を活性酸素消去発光を以て測定したもの。 このような客観的データを評価した
食品や生活環境物質の活性酸素消去度表(図解) なんてものが早く出版されないかな?と思った。
キーワード 【第3回補完代替医療学会総会】
02【若干の私見 補足】
【血液をアルカリ性にする】とか
【アルカリ食品、酸性食品】とか
【血液を浄化する】とか
【新陳代謝を活発にする】とか
【体質を改善する】とか
【脂肪を燃やす】とか
【天然、自然の成分で安全】とか
【自然治癒力を高める】とか このような言葉が、飛び交わないので テーマはある意味では?部分が多い分野−(補完代替)医学会(学術集会)ではあるが、参加者以外の同業お医者様からも 本学会の検討はうさんくさいと言われないとも思った。
附記:民間療法の効果を説明する際によく用いられると思われるキーワードを列記してみた。
医学的な検討には、このような言葉は、用いない。
要注意は【自然治癒力を高める】である。恐らく「人のもって生まれた病気を改善させる力」と解釈される言葉であるが、この治癒力とは免疫力や傷等を治す自己修復力等かなり広範囲、かつ複雑多岐。突き詰めて考えてみると、医学書にも書いていない難解なお言葉。それが -自然治癒力-。
言葉のニュアンスが曖昧にて、不可解なものを説明するにはもってこいの言葉。この言葉を用いれば、科学的な証明も必要とせず、はっきりと反証もできない。
このような漠然とした言葉を使って説明がなかった分、気持ちのよいお話が続いた。
ここちよい言葉のシャワーと昼食後のせいか。 午後は数演題が夢のなかであった。 以上2000-11-5夜
キーワード 【補足 この補完代替の考えに関する使用言語などのメモ】
03【第3回補完代替医療学会学術集会記事】
〜補完・代替医療分野における治験〜
EBMの概念に基づき評価
東京で開かれた第 3 回日本補完・代替医療学会(会長=東京女子医科大学付属消化器病センター・高崎健教授)で,パネルディスカッション「補完・代替医療分野における治験について」が持たれた。司会を務めた高崎会長は「補完・代替医療について十分に理解し,導入している臨床医は多いとは言えない。これは,補完・代替医療が正しく検証されていないためと考えられる。したがって、本学会として補完・代替医療を西洋医学的な手法を用いて正しく検証していくことが求められている」と強調した。
治験委員会を開催
同学会では,今年 7 月に第 1 回治験委員会を開き,11月初めの理事会で補完・代替医療分野における臨床試験(治験)を推進していくことが決定された。金沢大学産婦人科の鈴木信孝講師は,補完・代替医療分野における治験の概念について解説した。補完・代替医療分野における治験では,evidence-based medicine(E BM)の概念に基づいて評価を行う。具体的には,
- (1)眼前の患者での疑問点をピックアップ
- (2)文献検索(ピックアップした疑問点を直接扱った論文があるかどうか)
- (3)文献の批判的吟味(結論が一定しているかどうか
- (4)文献の結論を眼前の患者に適用することの妥当性についての判断の手順で行う。
審査は,
- (1)検討評価依頼
- (2)受け付け審査
- (3)非臨床試験検討評価依頼
- (4)非臨床試験プロトコル審議
- (5)非臨床試験実施機関選定および実施
- (6)非臨床試験成績のまとめと提示
- (7)非臨床試験評価委員会
- (8)非臨床試験評価結果の答申
- (9)臨床試験開始審査
- (10)臨床治験実施依頼
- (11)臨床治験プロトコル審議
- (12)臨床治験実施項目,機関選定および実施
- (13)臨床治験成績のまとめと提示
- (14)臨床治験評価
- (15)臨床結果の答申
- (16)総合判定
- (17)判定結果の通知 の17段階がある。
これらの審査は,治験委員会,非臨床試験実施委員会,非臨床試験評価委員会,臨床治験実施委員会,臨床治験評価委員会が行う。各委員会は独立し,厳密な評価を行うことが求められる。
当面は栄養補助食品を対象に
鈴木講師は,第 1 回治験委員会の申し合わせ事項として,次の点を挙げた。
(1)学会のスタンスはあくまで「使い手側」の立場を取る。「つくり手側(企業)」のスタンスはエビデンスを積み重ねることが必要である。
(2)治験は当分の間、栄養補助食品を主たる対象とし,その他は必要に応じ審議する。栄養補助食品に関しては,最終製品の安全性の証明が最も重要である。
(3)医師および研究者の情報ネットワークをつくる。治験医師もしくは基礎研究者は,学会メンバーだけでなく,インターネットなどを介して募集し公正を図る。
(4)企業を対象とした説明会を開き,治験の進め方や治験結果の公表上のルールを説明・確認する。
(5)学会は治験結果の科学的評価とともに副作用情報の蓄積や再評価などを行い,広く公表していく。
(6)学会は混合診療の問題点や代替医療研究に対する公的資金の投入,治験などを円滑に進めていくための大学学部/講座の設置などを国に働き掛けていく。
金沢医科大学血清学の山口宣夫教授は,非臨床試験の方向性について述べ,「腫瘍に対してどのような影響があるかということにかなり焦点が当てられると思う。動物モデルの理想としては自家発癌がベストという原則は貫かなければならない。ただし,やむなく同種同系を用いることは考えられる。しかし,同種異系は排除しなければならない。そのチェック項目として,局所腫瘍増殖抑制,転移の有無,生存日数の延長(倍加時間)などを同時に評価しなければならない」と指摘した。
大阪市立大学皮膚病態学の石井正光教授は「皮膚科領域でも代替医療を試みている患者が多いが,それらが本当に『使い手側』のためになるものかどうか検証していくことが必要」,東京女子医科大学消化器病センターの喜多村陽一助教授は「当施設で消化器癌の外科治療を受けた患者の 8 割以上はなんらかの機能食品を取っており,それらがどんな成分でどこまで効くのかといったことを明らかにしていかなければならない」,島根難病研究所の亀井勉部長は「治験を通じて欧米先進国にも認められるようなデータが示されることを期待したい」とそれぞれ述べた。
最後に鈴木講師は「十分なディスカッションを重ねたうえで,治験を推進していきたい」と述べた。
キーワード 【第3回補完代替医療学会学術集会記事】
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